劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン を見てきました。
使用画像につきましては公式サイト、また公式ツイッターより引用
みなさんこんにちは夜祀祈(よしき)です。近々改名予定ですが、なかなか準備が大変で腰が重いです。
本日は、京都アニメーション制作の劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見て参りましたので、感想を述べたいと思います。
ネタバレがありますので、冒頭のあらすじを読んで面白そうだなと感じていただいたらTVアニメから見ていただけると嬉しく思います。
また、まだご覧になっていない方はご閲覧をお控えいただければと思います。
劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン感想
- TVアニメを踏まえて
- 儚く、悲しくけれど美しい物語
- アニメーション、映像について
- キャストの最高の魂
- 全体の感想
■TVアニメを踏まえて
劇場版とありますがこのヴァイオレット・エヴァーガーデンは2018年1月に放送開始された京都アニメーション制作のTVアニメです。
全13話構成となっており、長くないためアニメ初心者にもおすすめしやすい長さです。
ではまずは、ヴァイオレット・エヴァーガーデンがどんな内容なのか、あらすじから触れていきましょう。
とある大陸の、とある時代。
大陸を南北に分断した大戦は終結し、世の中は平和へ向かう気運に満ちていた。
戦時中、軍人として戦ったヴァイオレット・エヴァーガーデンは、軍を離れ大きな港町へ来ていた。 戦場で大切な人から別れ際に告げられた「ある言葉」を胸に抱えたまま――。
街は人々の活気にあふれ、ガス灯が並ぶ街路にはトラムが行き交っている。 ヴァイオレットは、この街で「手紙を代筆する仕事」に出会う。 それは、依頼人の想いを汲み取って言葉にする仕事。
彼女は依頼人とまっすぐに向き合い、相手の心の奥底にある素直な気持ちにふれる。 そして、ヴァイオレットは手紙を書くたびに、あの日告げられた言葉の意味に近づいていく。
こちらがあらすじとなっています。
原作は暁 佳奈ということになっているようですが、ちょっと嫌なお話し。京アニのKAエスマ文庫の大賞云々で作者は架空の人物なのではないか?というのが実は昔からあり、
正直その点については僕もいくつか疑問がある議題ではありますが、原作文庫もありますので気になった方はこちらからチェックしていただければと思います。
■儚く、悲しくけれど美しい物語
では劇場版本編に触れていきますのでここからはネタバレがありますのでご注意ください。
今回の劇場版ではTVアニメの内容の後のお話しとなっており、ヴァイオレットとギルベルトについての物語です。
もちろんTVアニメでも二人についてがメインでしたが、今回はC.H郵便社というよりも二人の過去、現在、そして未来についての内容となっておりました。
端的に申し上げて、人生を描いた作品なのだと僕は感じました。武器として戦争を生き抜いたヴアイオレットと、戦死したと思われたギルベルトのそれぞれが胸に抱えていた感情のぶつかり合いとも言えると思います。感動、という言葉で表現することはできず、いくつもの言葉を用いても足りないくらいです。
TVアニメでの内容でもありますが、戦争を生き抜いたヴァイオレットはギルベルトに自由に生きるように言われ、彼女は戦争で失った両手を機械仕掛けの義手で自動手記人形、ドールとして生きていきます。ドールとして仕事をしながら、幼少期道具として使われ、本来持っているべき感情や思考を徐々に身につけていく感動の物語であり、ギルベルトが最後に残した”愛している”という言葉の意味を少しは知ることができました。
そこから今回の劇場版につながるわけです。人として、ドールとして大きく成長していく彼女はTVアニメ5話の公開恋文や10話の50年間の手紙などでよくお分かり頂けると思います。この二つのお話は劇場版でも登場するので彼女の活躍という点においても重要であると言えるでしょう。
そして、劇場版で成長した彼女にある時告げられた事。戦死したと思われたギルベルトが生きているかもしれないと。
そこまでの展開につきましては省略させていただきますが、ずっとヴァイオレットの胸の内で燻ってきた思いに一気に火がつくのです。彼女がこれまでほとんど見せたことのない激しい感情の嵐!多くを得た彼女から溢れ出るそれは、我々の感情をこれでもかと揺さぶってきます。実際泣きました。
そこからはギルベルトに会いにいくべく行動をしますが、彼女が彼に会った時どうすればいいのか、どんな顔をしたらいいのかなど。ヴァイオレットの感情を得たからこその戸惑いが描かれます。
そして、二人は再会。(後半のほぼラストシーン)再会した二人は胸の内に秘めていた思いを互いに打ち明かします。このシーンは本当に涙なしには見ることができませんでした。僕は声を必死に押さえながら鼻をすすり観ておりました。
■アニメーション、映像について
やはりTVシリーズもTVアニメとは到底思えないクオリティに仕上がっていましたが、劇場版もTVアニメ以上に作り込まれていました。
あいも変わらずの神作画に加えての映像処理は息を飲む仕上がりでした。そしてCGもアニメーションとよく馴染んでおり、あまり違和感を感じさせない映像となっていたのはやはり京アニといったところだろうか。
今回の劇場版では暗い場面と明るい場面のメリハリがよく、のっぺりとした感じとは違いキャラクターの心情と連動していたようにも思います。
そして今回最もアニメーションとしてとてもいいなと感じたところはキャラクターの表情でしょう。ヴァイオレットの感情の揺れ動きがしっかりと描かれている分、笑ったり、怒ったり、悲しんだり。そういった感情を丁寧に描き、ヴァイオレットの人としても成長も感じさせかつ私たち観客の心に訴えかけてくる想いが確かにありました。そういった面でもアニメならではの表情の変化を感じることができました。
■キャストの最高の魂
魂の咆哮。そう喩えられるには素晴らしい演技でした。いや、もはや演技というには足りない。そのキャラクターが確かに今生きている。そう言っていいほどだ。
特に今回は様々なキャラクターの叫ぶシーンがあり、気迫を感じるものが多くありました。しかしそれだけではなく、あらゆるパートにおいて気持ちが入っているように感じました。
中でも子安さん演じるホッチンズの孤島での叫ぶシーンには息を飲みました。彼がこれまでどんな思いでヴァイオレットを見守ってきたのか、そういうところがすごく肌で感じることができました。
他にはラストシーンのギルベルトのヴァイオレットの名前を叫ぶシーン。声が裏返っているんです。これについては公開記念舞台あいさつの時に監督の想いを浪川さんが語っております。本当にギルベルトの想いが声に乗っていると感じられました。また、ギルベルトとヴァイオレットの最後のシーン。ここではヴァイオレット演じる石川さんの演技に魂が震えました。おそらく僕がこれまで観てきた映画史上1、2を争うレベルです。ヴァイオレットの彼を想う気持ち。何年も彼がどこかで生きていると信じてきた彼女だからこそ、どこまでも彼女にとって大切な存在だからこその感情の昂り。声にならない声、嗚咽。これまでにないほど感情を表し、けれど言葉にすることができず何度も何度も言葉につまります。彼女のこれまでの人生の全てにおいて一番大切な瞬間なので本当に感動しました。
■全体の感想
今作、劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンは僕のアニメ映画史上1、2を争う作品でした。内容、映像、キャスト。全てにおいて高水準以上のクオリティで驚きました。2018年のTVアニメでも美しい映像、感動する内容でこれがTVアニメいいのか?と思ってしまうほどでした。そして今回の劇場版もどこまでも作品に強い想いが込められているとよく伝わりました。京アニは映像の美麗さで名が高いですが、それをしっかり活かすストーリー、キャストの演技。本当に素晴らしかった。
正直な話をすると開始5分くらいから泣き始めてしまい、泣くのがずっと止まらないまま最後のエンドクレジットまで行きました。泣きすぎて頭が痛くなるほどです。多分泣いただけでいうならば映画史上一番泣きました。持っていったハンドタオルがぐっしょりしてましたから。最後になりますがTVアニメを見てから行くとしっかりとストーリーも理解できますし、キャラクターの心情が分かりやすいので観に行く人でTVアニメを見ていないとか途中まで見たとかいう人は必ずTVアニメを見てから行くことを勧めてあげてください。僕が言えることはそれだけです。
では今回もご閲覧ありがとうござました。
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